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菩薩立像(4) 2008年09月25日(木)更新
塑造彩色
高73.0
晩唐
千相塔から発見された菩薩立像、腰を右にひねり、上体を左に傾ける。髻と両上膊半ばから先を失っている。頬が豊かに張った顔は肉づけに微妙さが欠け、鼻はやや長めで、耳のひだが単純となり、盛唐期の顔立ちや造型と異なってきている。体の動きは少しぎごちなく、脚部の衣文は単調な弧線のくり返しである。条帛に弧状の衣文を並列する点が特徴的で、この手法は晩唐期(八四八~九〇七)の作とされる第一九六窟の菩薩像、おそらくそれ以降の実高窟の塑像や木彫像に見ることができる。腹部臍下に横線、その上方に山形の線をくっきりと陰刻する形式化した手法も、第一九六窟の菩薩像と共通しており、これも晩唐期の作と見てよい。
表面は肉身部に肌色が残り、裙は弁柄地に薄い橙色地の縦縞を入れ、その裾も橙色地である。橙色地の部分には単純な形の花文を描き、その弁柄の輪廓線が残るが花文の中の彩色は剥落している。なお台座は蓮華座の上半が残るだけであるが、その側面には仰蓮を描いていたのであろう。出所:『砂漠の美術館-永遠なる敦煌』中国敦煌研究院設立50周年記念
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