考古用語辞典 A-Words

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仏説無量寿宗要経  2008年09月28日(日)更新

仏説無量寿宗要経
【和:ぶっせつむりょうじゅそうようきょう
【中:Fu shuo wu liang shou zong yao jing
隋・唐・五代|彫刻・書画>仏説無量寿宗要経

紙本墨書
縦28.5 横145.0
中唐
敦煌研究院0690号
 起首を欠き、末尾はととのう。全部で一〇六行。吐番が敦煙を統治した時期に漢語訳・チベット語訳の『無量寿宗要経』が大量に写された。この文書は漢語写経である。敦煌学者上山大峻の統計によれば、『無量寿宗要経』はロンドンに二八八件、パリに二九件、北京に五〇九件、日本に十一件、台湾に五件と、全部で八四二件が現存する。そのほか、ロシアが発表しているものが二九件、敦煙研究院が蔵しているものが七件である。
漢訳『佛説無量寿宗要経』の訳者については現在のところわかっていない。日本から出版された『昭和法宝総目録』では法成訳としている。しかし、実際のところ、これに関する記録はないことからこれは単なる推測にすぎない。蔵経洞から出土したこの経の写本は、ほぼ吐蕃が敦煌を統治した時期の遺物であり、このときの著名な高僧が法成であることから、このような可能性が存在した。
吐蕃による敦煌の統治が終焉するのにともない、この経の写本も少なくなる。なぜ当時これほどまでに流行したのかという問題は、社会的要因のほか、本経の内容とも無関係であるまい。経には「この経を書写さえすれば、現世において百まで生きながらえ、死後は阿弥陀極楽浄土に生まれ、過去の悪行は自然に解消され、災難は決して降りかかることなく、四天王は常になんじを保護する」とあり、この経を書写することにより善報を得ることができるとされ、信者が多くなったとも理解される。出所:『砂漠の美術館-永遠なる敦煌』中国敦煌研究院設立50周年記念

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