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鎏金馬具 2008年12月16日更新
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遼
1954年内蒙古昭鳥達盟赤峰大営子遼駙馬贈衛国王墓出土 遼駙馬贈衛国王墓は数少ない遼代大型墓葬の一つで,壮大な墓室の構造,契丹人特有の葬俗,極めて豊富で貴重な副葬品があつた。
この墓はスロープの墓道を持つ,多室の磚墓。墓底は全長105メートル,幅は8.7メートル,墓堂は前室,中室,後室と左右の2側室に分かれ, ドーム状の墓頂をする。中室にはヒノキの木材が壁の補強にめぐらされ,床の上に頭を北向きに男女の遺骸2体があった。墓はかつて盗堀されていた。
出上の遺物は合計2162点,主なものに,墓誌銘,六足長方鉄炉,四足侈口有蓋桶,長頸鉄把壺,双魚形串鈴用銅帯頭,鍍金帯扣,玉餅,大量の馬具,鉄盔,鉄鎖,鉄甲冑片,磁器,金銀器,金糸織物、飾瑪瑙鍍金銀帯具、包銀鞘鉄ヒ首、包銀鞘短剣、各式銅鏡,錯金銀鉄矛、各種瓔珞雑品,各種絹織物,鳴鏑,鉄鏃,石硯等々があった。墓誌の記載と墓内の遺物から,死者の生前に好んだもの,日常必需のものが墓中に何もかも揃い,そしてそれは遼国の貴族生活の奢移と豪華さをあますところなく反映していることがわかる。
馬具はこの墓の最も特徴的な副葬品である。籠頭,纓罩,盤胸,後座鞦,鞍橋,鐙などがひと揃い,あるいはひと組に配置されていた。材質に銀,銀鎏金,銅鎏金,瑪瑙があり,大小計1000余点に達する。金属の馬具にはほとんどにぎやかな動物文や花草文の文様が飾られている。馬具の種類と数量といい,馬具の装飾の華麗さ,細工の精巧さといい,考古発掘中まれに見るものである。
鎏金馬具はその材質と文様によって2種類に分けられ,その部位によって8組に分けられる。計229点。第1種は,龍が珠に戯れる文様の銅鎏金馬具。5組に分けられ,計164点。
1 籠頭飾金具16点
2 首に掛ける飾金具19点(鎏金宝相飛鳳銀纓罩1点を含む)
3 盤胸飾金具71点
4 後座鞦と掛ける飾金具52点
5 鞍飾金具6点
第2種は,鹿が草を食む文様の銀鎏金烏具で,3組に分けられ,計65点。
6 籠頭飾金具16点
7 後座鞦飾金具42点
8 大中小の纓罩,鉄の鐙,鉄の馬銜7点 これらの鎏金馬具は整理後もなお燦然と金色に輝き,精級で華麗である。とりわけ興味深いのは鎏金銅鈴である。大小さまざまで音色がみな違い,清んで高らかなものもあれば,重たく低いものもある。その音腕利きの職人がハーモこ―の音響効果をねらって,意図的に鈴一つずつに1音を代表させたのであろうか。 出所:中国内蒙古北方騎馬民族文物展
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