考古用語辞典 A-Words

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如来三尊・二天王立像龕 2009年1月21日更新

如来三尊・二天王立像龕
【和:にょらいさんぞん・にてんのうりゅうぞうがん
【中:Ru lai san zun・er tian wen li xiang kan
晋・南北朝|彫刻・書画|>如来三尊・二天王立像龕

1975年 陝西省西安市北郊草灘(寺院址)出土
大理石、浮彫・彩色
高54.5、幅32.4、奥行10.5
北周六世紀後半
陝西・西安市文物保護考古所
寺院址と推測される場所から、整然と積み重ねられて出土した一連の遺品である。同じ地点からは、合計一七基が発見され、いずれも直方体の白大理石の片面に各種の尊像が浮彫・されている。
与願・施無畏印を結んだ如来坐像の両脇に、蓮のつぼみを手にした菩薩立像と、片足を踏み出して振り向く姿勢の天王立像が、それぞれ一対表現される。下方には、香炉をはさんで、片足をあげた獅子の姿も見える。また、像の頭上の天蓋の上には、笙(縦笛の一種)・箜篌(ハープ系の楽器)・琵琶などの楽器を手にした奏楽天人が五体、浅く浮彫されている。
まろやかで柔和な作風には、北周時代(五五六~五八一年)の造像の特徴がよく示されているが、着衣や裳懸座の形式には、なお前代までの余風が残存し、北周でも比較的早い時期の制作と思われる。
均整のとれた造形をみせるとともに、意匠の細部に至るまで入念に形作られていて、当時の優れた造形感覚がいかんなく発揮された作例といえよう。目鼻立ちがおぼろげなのは、土中による擦れや風化にも起因するが、もともと深く彫り表わさず、墨や各種の顔料を用いて彩色して表現することを念頭に置いた手法とも考えられよう。背面のみ粗削りのままに放置されていることからすると、かつては寺院の壁面などに嵌め込まれていたものかもしれない。出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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