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釈迦如来坐像 2009年1月22日更新

釈迦如来坐像
【和:しゃかにょらいざぞう
【中:Shi jia ru lai zuo xiang
隋・唐・五代|彫刻・書画|石器・ガラス|>釈迦如来坐像

1982年 山西省内城県風陵渡東章出土
石灰岩、彩色
(No.1)総高八〇・〇、像高四六・〇、幅四〇・〇、奥行三六・〇
唐 長安三年(七〇三)銘
(No.2)総高九二・〇、像高五一・〇、幅四四・〇、奥行四五・〇
唐 景龍四年(七一〇)銘
(No.3)総高九八・五、幅三六・〇、奥行三六・〇
唐 八世紀前半
山西・芮城県博物館
同一地域から発見されたといわれる三躯の如来坐像(No.1~3)。それぞれの作風は異なるものの、全体の形制はおよそ共通する。偏袒右肩に衣をまとい、右手の肘を曲げて前方へあげ(それぞれ指先、手首先、肘先を欠失)、左手を膝の上に置き(No.3は手首先を欠失)、段をなして高くなる八角の台座に坐る。
No.1・2の台座下段の側面に銘文が刻まれ、それらによれば、No.1が長安三年(七〇三)、No.2が景龍四年(七一〇)の制作と判明し、No.1は釈迦像として造立されたことがわかる。No.3にも天宝四年(七四五)の銘があったともいわれるが、現在、銘文の痕跡は認められない。なお、No.1の銘文中には、五種類の則天文字が使用されている。
三躯の作風を比べてみると、おおむね銘文に記された制作年代の推移に対応した変化がみられる。No.lとNo.2は、比較的似た作風を示し、適度な肉付けがほどこされた引き締まった肢体をもち、手足ものびやかに表現されるとともに、両肩が少し角立っている。顔形は、No.2の方に丸みがあり、頬に張りがある。これら二躯に対し、No.3は、丸々とした顔形をし、頼から顎下にかけて豊満に肉付けされ、肢体にも厚みと丸みが著しい。衣文の数が少ないのも、薄手の衣を通して見える肉身の起伏を強調した結果である。開元年間(七一三~七四一年)から大宝年間(七四二~七五六年)にかけての諸像に通じる作風とみることができよう。
いずれも寺院に奉納された像と思われるが、同じ地域での作風の変遷をたどるうえで、恰好の遺例といえよう。出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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