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弥勒如来倚像 2009年1月22日更新

弥勒如来倚像
【和:みろくにょらいいぞう
【中:Mi le ru lai yi xiang
隋・唐・五代|彫刻・書画|石器・ガラス|>弥勒如来倚像

一九五七年 山西省運城稷山県収集
石灰岩、彩色
総高一五五・〇、底幅七九・〇、奥行五七・〇
唐 天宝四年(七四五)銘
山西・山西省博物館
光背や台庭を含めてすべて一材から彫出される。右手の肘を出げて前方へ向け(手首から先を欠失)、左手を膝の上に置き、宣字形の台座に坐り、ニ茎の蓮華に足をのせる。体部は、正面観では肩の張った逆三角形状のがっしりとした造形を示し、肉身の起伏はさほど頭著でないものの、のびやかな手足とともに、唐時代(六一八~九〇七年)盛期の天龍山石窟(山西省太原市西南)の諸像とも共通した作風が認められる。
光背には、像の頭頂周囲に蓮弁、両肩の上に、中国古来の図像である日(向って右・朱色)・月(向って左・白色)が浅く浮彫されている。光背左右側面に立体的に表わされたマカラ(想像上の怪魚)などの意匠は、インド以来の伝統的な形制を踏襲したものである。 一つの光背上に、在来・外来両様の文化の混交を見ることができる。
台座には、正面下端などに銘文が刻出され、それによれば、弥勒像に該当する。弥勒は、北魏時代(四三九~五三四年)頃には、弥勅如来交脚坐像・両脇侍立像のように、交脚坐像の形式をとり、唐時代には、本像のような倚像とされることが多い。 台座の側面には、縦笛と琵琶を手にする二人の奏楽天人、背面に舞路する二人の天人が浮彫されている。浄土の様を象徴するとともに、仏に対する賛嘆を意味する図像であろう。
表面に見られる各種の彩色や絵は、その様態からすると、後世の補彩になるようであるが、像は当初の姿をよく残し、かつての山西地方の作風の一端を知ることができる。
【銘文】「中信邑弥勒像…(略)…/大唐天寶四載歳次乙百四月
戊/子朔八日乙末絳郡稷山縣還淳郷永□/里李村邑子一十九
人発心逮□(台座下端正面刻銘。省略箇所および台座側面などには、発願者の地位・名前・願意などが記される。)出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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