考古用語辞典 A-Words

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天王文灯 2009年1月28日更新

天王文灯
【和:てんのうもんとう
【中:Tian wang wen deng
隋・唐・五代|陶磁器|>天王文灯

一九八七年 河南省洛陽市吉利区出土
三彩、貼花
高46.0、口径9.3、底径23.0
唐 八世紀
河南・洛陽市文物考古工作隊
二段にこんもりと盛り上がった台の上に支柱が長く伸び、上部の盤上に油を入れる容器が付く。このころの灯は、獣脂などから作った油の中に灯芯を浸し、それに火をともして使用する機構であったため、油入れは、皿のような浅手のものではなく、本器のように深さのある容器が選ばれた。
現状では、支柱以下とそれ以上の二部分に分かれ、盤底の中央に設けた枘を支柱に挿入する仕組みになっているが、もともとは、碗形の油容器、盤、支柱の上下、台といった各部は別々に成形された後に、接合され、施釉されたものであろう。
台の下層の側面には、天王立像と鬼面が交互に四つずつ貼り付けられ、支柱には竹のような節が十数段作り出され、中ほどに蓮弁がかたどられる。細部まで丹念に作り込まれ、三彩器の中では、ひときわ鮮鋭な出来映えを見せる。
三彩の灯としては、洛陽で初めて出土した遺品といわれ、現在知られる同種の作例中、もっとも大形の部類に属し、本器に類する灯を用いた上流階級豪奢な生活をしのぶよすがとなる。出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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