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闘獣文八曲杯 2009年1月29日更新
【和:とうじゅうもんはっきょくはい】 |
【中:Dou shou wen ba qu bei】 |
隋・唐・五代|金銀・玉器|>闘獣文八曲杯 |
1970年 山西省大同市城南迎賓東出土
銀・青銅、鋳造・鍍金
高5.0、長径24.0、短径14.5
北魏(ビザンチン)五世紀頃
山西・大同市博物館
強い湾曲をもつ八曲の花形に成形し、口縁を少し反らせて縁取りとし、繰り込みの内側には扇形の葉状文を飾る。うねりを見せる器体の造形には、力強さがみなぎっている。内底の楕円形の中には、怪魚(摩竭?)と豹あるいは虎が絡み合う闘獣文を表現している。
器体は銀製一鋳で、様態からすると、?型になるものと思われる。現在、表面が黒色をしているのは、銀の錆によるものであるが、質感からすると、地金には銀の他に何らかの金属が混ぜられているようである。
底裏には、器体と同じく八曲の花形に作られた小ぶりの高台が溶接されている。緑青が厚くふいていることから、高台のみ青銅製と考えられる。
曲面を主体とする各部の造形や素材の質感などは、通例の中国の金属器と異なり、地中海沿岸や西アジアの器物の特徴と一致する。ビザンチンなど、西方の地域で制作され、それが、北魏(三八六~五三四年)の首都(平城=現在の山西省大同市)が置かれていたこの地にもたらされた可能性が高い。
中央アジアの壁画にこの種の杯の使用場面が描かれており、それによれば主に酒器として用いられたと考えられる。唐時代(六一八~九〇七年)でも、独特の形が異国趣味と合致したためか、ことに愛好され、玉製品や、ガラス、陶磁、金属などで作られた類品がある。
出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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