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仕女狩猟文八曲把杯 2009年1月29日更新

仕女狩猟文八曲把杯
【和:しじょしゅりょうもんはっきょくははい
【中:Shi nu shou lie wen ba qu ba bei
隋・唐・五代|金銀・玉器|>仕女狩猟文八曲把杯

一九八〇年 陝西省西安市城建局交出土
銀、鍛造・鍍金
高4.7、口径8.7、長11.5
唐 七世紀
陝西・西安市文物保護考古所
半球形に成形した杯の側面を八曲に湾出させ、蓮弁上に開いた花形とし、別造の把手を溶接する。側面には、魚々子地に仕女図と狩猟図を交互に刻み出し、蓮弁には、やはり魚々子を地として宝相華文を線刻し、器壁を埋め尽くしている。図は、把手から反時計回りにみると、鹿狩り、琵琶と笙による仕女奏楽、虎狩り、鏡による仕女の化粧、狐狩り、子供をあやす仕女、山羊狩り、立姿の仕女となる。狩猟図には全面に鍍金がのせられるのに対し、仕女図では文様の部分にだけ鍍金がほどこされる。
杯の内底には、波状文の中に摩竭(怪魚)と鯰、その四方に山岳文が線刻され、酒などの液体を満たすのにふさわしい意匠が採用されている。内面では、この文様の部分にのみ鍍金が見える。底裏の中央に溶接痕があることから、もとは高台を備えていたことがわかる。
把手は、円形で突部が設けられた持ち手と、葉形の手がかりの部位で構成され、指をかけて手に持つ際の便宜にも配慮がなされている。葉形の上面には、円形の突部の中に鹿文が刻まれる。
整形法や鏨使いにはきわめて高度な技量が示され、鍍金の金色と地金の銀色との巧みな使い分けによって、華やかな色彩効果を演出していることなど、唐時代(六一八~九〇七年)も比較的早い段階になるこの種の遺品の中でも、最高位に位置付けられる作例といえよう。
何家村出土の銀器に、これと酷似した一器があり(ただし、杯側面の図の配置に異同がある)、それには、裾にかけて広がる丈高い高台が付く。出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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