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鼓胴 2009年2月1日更新
一九八〇年 陝西省西安市東門外鶏市拐以東(大明宮址東城門外)出土
黒釉磁、白斑
長56.0、口径23.0
唐 八~九世紀
陝西・西安市文物保護考古所
鼓胴は、西方から中国へ伝来した打楽器の一種で、紐によって首からさげ、腹の前で打ち鳴らしたものである。本来、木製皮張りが主体と思われるが、唐時代(六一八~九〇七年)には、本器のような陶磁製品も制作された。その影響は日本にも及び、正倉院宝物中には、奈良三彩の作例が現作している。
本器は、両側が広がり、中ほどが細い円筒状をし、中空になる。内外の全面に黒釉をかけ、そこに斑点状に白釉をのせて焼成したもので、現状では、胎上は淡褐色をしている。口部のみ、一度かけた釉を剥ぎ落として露胎としているのは、ここに皮を張るための用意であり、また、実用上の便上を考慮し、重量が非常に軽く作られている。敦煌壁画などに描かれた例から推察すると、鼓胴にも大小各様があったようである。出土地点を勘案すれば、大明宮などでの奏楽の際に使用されたものかもしれない。
黒釉磁白斑の技法は、唐時代から始まり、花釉(花磁)とも呼ばれるが、このような器物を焼成した窯址は、これまでに河南省と山西省でいくつか発見されている。出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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