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三尊像・七連仏像塼 2009年2月1日更新

三尊像・七連仏像塼
【和:さんぞうぞう・しちれんぶつぞうせん
【中:San zun xiang Qi lian fu xiang
隋・唐・五代|陶磁器|>三尊像・七連仏像塼

一九八五年 陝西省西安市大慈恩寺出土
粘土、漆箔
高15.5、幅11.0、厚3.3
唐 七世紀
陝西・西安市文物保護考古所
塼(甎または磚とも記す)は、もともと、粘土を型にいれて抜き、乾燥後に焼成した、瓦やレンガの類をさすが、南北朝時代(四三九~五八九年)以降、型抜きによって同形同大の仏像をいくつも作り、寺院の壁面などを荘厳するのにも使用された。これが、いわゆる塼仏である。
本品は、厚板状の塼の表面に、如来坐像を中心とする三尊像と、七体の小ぶりの如来坐像が浮彫風に表現される。各尊とも、下方の茎から分かれた蓮華上にのり、宝珠形の頭光を負う。細身長身の姿に表わされることや、中尊にみられるように、衣文が突線になることなどは、唐時代(六一八~九〇七年)初期の石像とも共通する。七体の如来坐像は、同茎の蓮上にあることから七連仏とも通称され、過去七仏を表現したものと考えられるが、これも常時代初期から盛期にかけて、しばしば類例が制作された定形の一つである。
背面には、桝目の中に、左記のような銘文がある。同種の銘文を伴う類品もいくつか知られており、骨灰を混ぜた粘土で制作し、塔に納めて供養したともいわれている。蓮華座などに金箔の残片がわずかにみえ、当初は、金や彩色がほどこされていたと見える。
この塼仏が土した大窓恩寺は、高宗(在位六四九~六八三年)が皇太子時代に建立したと伝え、インドから帰朝した高僧・玄宗三蔵を迎えて経典の翻訳などを行い、長安の大寺院として勢力を誇った。現在、唐時代の堂宇の面影は、境内にそびえ立つ大雁塔(七層の楣塔)に残るのみであるが、その四方の入口上部に設置されている塼の線刻画(拓本写真参照)は、当時の絵画や建築様式をよく伝え、唐時代の文化を語る上では、見逃すことのできない遺例である。
【銘文】「大唐善囗/空屋得囗/如妙色身」(背面型抜銘)出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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