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史頌鼎 2009年3月7日更新
一個
青銅
高37.3 口径35.7
西周時代・前九~八世紀
上海博物館
端の角ばった口が外側に折れ、両側に厚くて大きな耳(把子)が立つ。全体に平たく、下膨れである。底部は平らに近く、その下に動物の蹄のような足が三本つく。口縁部の下には、身をくねらせた動物を抽象化した文様が六組あり、文様と文様の間は六本の短い棱脊(縦方向の凸帯)により均等に分けられている。各組の文様とも同じ向きに並ぶ。腹部には幅広な波形の文様、蹄形だの上部には獣面文を飾る。
鼎腹部の内側に六十二字の銘文が鋳込まれている。「時に史官に任ぜられた頌が同工の命令を受けて蘇国を視察し、その使命を無事に遂げた」と記してある。この銘文の字形は細長く、素朴で端正な書体で、大きさは基本的に揃っている。字のつくり(結体)は流れるように美しく、また精巧でバランスがよい。全体の構成については、字と字、行と行の間隔がほとんど揃えられ、整然とした秩序をみせている。ゆとりがあるのに整った様子は、熟練の技巧をあらわしている。
史頌の銘をもつ伝世の青銅器には、鼎二個、簋四個、簠一個、盤一個、匜一個が知られている。当時の制度に照らせば、史頌のつくった青銅器はこれだけではないはずである。失われてしまったものもあるに違いない。出所:書の至宝-日本と中国2006
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