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仮名消息(延喜式巻第四紙背) 2009年3月15日更新
【和:かなしょうそく】 |
【中:Jia ming xiao xi】 |
彫刻・書画|>仮名消息(延喜式巻第四紙背) |
一巻のうち一通
紙本墨書
縦二九.三 横九〇・八
平安時代・十一世紀
『延喜式』は延長五年(九二七)に奏上された古代律令国家における施行細則を集大成したもので、全五十巻からなる。東京国立博物館所蔵のものは、九茶家に伝来し、二十八巻が現存する。これは、巻第四の紙背の第二十三紙と第二十四紙にあたる仮名消息である。この巻には、長元八年二〇三五)と九年の年号をもつ紙背文書があり、この仮名消息も長元年間(一〇二八~三七)をあまり隔たらない時代に書写されたものと考えられる。伝世の間に保存状態が悪くなり、修理に際して薄い裏打ちが施されている。擦れと薄い裏打ちのため文字がみえにくい部分がある。
のびやかで流麗な連綿が数文字にわたって続く。時代が相前後する「高野切」などの調度手本とは異なり、おおらかに、そして気軽に筆を運んでいる。十一世紀の女手の遺品として、用の美ともいえる流れるような美しい文字を展開している。仮名の発生から展開を考える上でも貴重な遺品である。
この「延喜式」は反故となった文書を集めて書写したものである。手紙や文書は当事者同士が理解できれば事足りるもので、本来、用が済めば廃棄される運命である。これらの仮名消息は、紙が貴重な時代であったことから、それも『延喜式』という貴重な典籍を書写したものであったために残ったものである。ほかの第二十、三十一の紙背にも仮名消息が所収される。 出所:書の至宝-日本と中国2006
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