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升色紙(かみなゐの) 2009年3月15日更新
【和:ますしきし】 |
【中:Sheng se zhi】 |
彫刻・書画|>升色紙(かみなゐの) |
伝藤原行成筆
一幅
紙本墨古
縦一三・四 横一一・三
平安時代・十一世紀
東京・三井記念美術館
鳥の子の素紙に微細な雲母砂子を撒いた料紙に、清少納言の曽祖父深養父の『清原深養父集』を書写した断簡である。清楚な料紙に筆を染め、余白の美を十二分に考慮した巧みな筆致で揮毫したものである。清書の筆を執った能書の美意識が偲ばれる。筆者を藤原行成(九七二~一〇二七)と伝えるが、穂先の利いた筆を円転自在に駆使した、その優美で明るく穏やかな書風と清楚な料紙から推して十一世紀後半の書写と考えられる。藤原定家(一一六二-一二四一)の書付けのある断簡(東京・五島美術館)や他本と校合して筆を加えた断簡があり、藤原定家の所持本であったことが知られる。もとは升形の冊子本で、名称はその形に因むものである。装丁は、紐で綴じた綴葉装であったと推定される。
詞書の「かみなゐの云々」を三行に書写し、わずかに余白をとって、初句と二句を一行に、そして三句目の「あきなれば」で墨継ぎをして一字下げて書き進めている。穂先の利いた筆を円転自在にあやつって、優美で明るい書風と清楚な料紙の調和が見事である。出所:書の至宝-日本と中国2006
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