考古用語辞典 A-Words

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関戸本古今和歌集切 2009年3月15日更新

関戸本古今和歌集切
【和:せきどぼんこきんわかしゅうぎれ
【中:Guan hu ben gu jin he ge ji qie
彫刻・書画|>関戸本古今和歌集切

藤原行成
一幅
彩箋墨書
縦二〇・四 横三四・六
平安時代・十ー世紀
東京・春敬記念書道文庫
 もとは綴葉装の冊子本で、紫・藍・茶・緑などそれぞれ濃淡の色変わりの染紙と、鳥の子紙を交用した料紙に、『古今和歌集』を書写したものである。加賀前田家に伝来し、明治十五年(一八八二)に名古屋の関戸家の所蔵となったため、「関戸本」と称される。巻末の中院通村(一五八八~一六五三)の識語によれば、江戸時代初期には「四十八枚」の料紙からなっていたことが知られる。昭和二十七年に一部が分割され、現在は巻一、三、四、十一、十二、十四、十五を部分的に残す二十七丁が関戸家に伝存する。このほか、諸家に分蔵される断簡には巻二、八、十六、二十が含まれている。
 本文は、字形がよく整い、緩急抑揚が自在で変化に富む。その書は流麗で躍動的な筆致であり、連綿あるいは放ち書きを交用し、効果的な墨継ぎや巧みな運筆に、典雅な格調の高さが感じられる。華麗な料紙とじつに美しく調和しており、王朝貴族の美意識を彷彿とさせる。
 通村は、その筆者を藤原行成(九七一~一〇二七)と定めているが、その確証はなく、料紙や書風などから、十一世紀半ば過ぎの能書の手になるものと考えられる。 出所:書の至宝-日本と中国2006
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