考古用語辞典 A-Words

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葦手下絵和漢朗詠抄巻下 2009年3月17日更新

葦手下絵和漢朗詠抄巻下
【和:あしでしたえわかんろうえいしょう
【中:Wei shou xia hui he han lang yong chao
彫刻・書画|>葦手下絵和漢朗詠抄巻下

藤原伊行筆
二巻のうち一巻
彩箋墨書
純二八・○ 全長一四二三・〇
平安時代・永暦元年(一一六〇
) 京都国立博物館
『和漢朗詠集』を上下二巻の巻子に書写したもの。群青・緑青・銀泥・代赭などの顔料を用いて、松林・流水・橋・片輪草・秋草・土坡の風物や水鳥・鹿・葦などの下絵を描く。その中に、葦など水辺の景物に見立てて書き入れられた遊戯的な書体である葦手の「か」「な」「の」などが組み合わされており、じつに変化に富んだ料紙装飾である。名称は、この葦手に因んで名づけられたもの。絵画遺品としても注目される。
下巻の奥書に「永暦元年四月二日 右筆黷之 司農少卿伊行」があり、当時「司農少卿」(宮内少輔の唐名)であった藤原伊行(?―一一四九―七五)の筆跡と明らかにされる。伊行は三跡の一人として著名な藤原行成(九七二―一〇二七)の六代目の子孫にあたる。二条天皇、六条天皇の大嘗会の悠紀・主基の屏風色紙形の清書など能書の栄誉を担うなどの活躍を遂げるほか、父定信(一〇八八―一二五四―?)と分与した「戊辰切本和漢朗詠集」などがあり、当代屈指の能書であったことが偲ばれる。華麗な料紙に揮毫された「和漢朗詠集』が完存するとともに、数少ない筆者の明らかな平安時代の古筆としても貴重である。出所:書の至宝-日本と中国2006
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