考古用語辞典 A-Words

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青磁六耳壺 2009年3月19日更新

青磁六耳壺
【和:せいじろくじこ
【中:qing ci liu er hu
隋・唐・五代|陶磁器|>青磁六耳壺

越州窯
  五代時代・10世紀
高さ:34.0cm
住友グループ寄贈
晩唐から五代にかけて、浙江省を中心に分布した越州窯では、「秘色(ひそく)青磁」を筆頭にいわゆる古越磁とは異なる新たなタイプの青磁が生産された。実用器皿の量産と製品流通機構の整備を背景とし、この時期の越州窯青磁は国内はもとより遠く海外にまで運ばれた。インドネシアのセレベス(スラウェシ)島で出土し、当地の国王が秘蔵していたと伝えられるこの壺は、そうした輸出陶磁器のひとつである。壺の内外に施された青磁釉は、失透性で、黄味がかった独特の発色を見せる。所々に生じた釉ムラは、轆轤目を残す素朴で力強い造形とあいまって、この壺に深い味わいを与えている。二つの板耳と四つの環耳は本来伴っていた蓋を留めるためのもので、江蘇省蘇州七子山五代墓からは蓋付の類品が出土している。
大阪市立東洋陶磁美術館所蔵
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