考古用語辞典 A-Words

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硯坑(端渓硯) 2009年5月28日更新

硯坑(端渓硯)

【和:けんこう
【中:Yan keng
彫刻・書画|基本用語|>硯坑(端渓硯)

唐代に産出し、出土硯がある。宋代七十余坑があったと言われるほど採掘が進んだ。山の高い所で採掘されたらしく上巌、中巌などを出坑とか山巌とか言う。ほかに半辺的諸巌、後歴坑などがある。石に潤いが少なく鋒亡も少し粗い。宋代に下巌が採掘されたが、これは河をせきとめ、水を汲み出して採取したという(洞天清禄集)からいわゆる水巌である。また北嶺にも宋坑があったと言い、解放後も採掘されて宋坑と言っている。同じく解放後も採掘されている山の高所にある麻子坑には早坑と水坑の二種があるので高所にあっても山坑(早坑)のみとは限らないことがわかった。通常古い山坑系の硯を宋硯と呼んでいるが、山巌系の石の代名詞ぐらいに考えておく方がよい。宋代の坑は引続いて元・明代にも採取されたが、新たに宣徳巌、朝天巌、麻子坑などが知られている。明末になって斧柯山の麓に老坑が開かれ、これが水坑なので老坑水巌と呼んでいる。清朝になって老坑はさらに掘り進められ、飛鼠洞、東洞、洞仔、正洞、拱篷、小西洞、大西洞(この中に水帰洞がある)などが開かれた。清朝代は勅許によってのみ採掘されたという。今はこれを水巌坑、水巌と総称している。水巌は石に潤いがあり、端渓硯の美麗を称える眼、石文、石色に富んでいる。解放後、大西洞が採掘されていて氷裂文のある美硯が作られている。
北嶺は山脈と言った方がよい三〇キロ以上にあたる山なみが続いている。この北嶺に緑石坑や梅花坑があり、解攻後も採掘されている。緑石坑は新坑で旧坑は判明しないと言う。旧坑の禄石は緑端と言って尚ばれ、洮河禄石と混同されている。
端渓石の石色は紫(青紫~赤紫に至る十種以上の分類がある)が主であるが、ほかに灰色、蒼色、青色、緑色などがあり、黒端、白端などと呼ばれるものがある。猪肝色、馬肝色、羊肝色と言った表現もある。端渓石の特徴として挙げられるものを記す。雅名で形容する。出所:『文房古玩事典』宇野雪村
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