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文鎮 2009年7月12日更新

 文鎮

【和:ぶんちん
【中:Wen zheng
彫刻・書画|基本用語|> 文鎮

日本では文鎮で通っている。書画揮毫のとき紙をおさえる道具で、紅顔とも鎮紙とも言われる。紙鎮で総称されているのであるが、二大別すると
文鎮:揮毫のとき紙・帛をおさえる。
書鎮:読書(巻物などもある)のとき開いた頁をおさえる。
となろう。文鎮は必要に応じて長くなり、書鎮は短い塊状でもこと足りるといったところはあるが、厳密な区分は難しい。塊状のものでも数多く使えば文鎮の役目を果すからである。
この器は文房書斎にある小物で重さの利くものは転用が可能だった。例えば既述したものでは印材、硯山などがあるし、古器(中国では銅印、日本では刀の鍔、矢立など)も代用できた。文房古玩の面白さは専用、転用、融通無碍の境だと言えるのかもしれない。

漆製品は軽いので、しんに銅か鉛を入れ、その周りを漆で固め、彫刻したものである。
金属
鉄、銅、真鋳などのものが多いが古味のあるものは少ない。明代と思われるものに船形の優品があって印象に残っている。清末、中華民国時代になると、呉昌碩、斉白石、陳衡恪等の書画を刻した二本で対になった文鎮がかなりある。 玉
雅味があるとは言えないが、塋潔なものには品格がある。書鎮に枠を凝らした彫刻品が多い。
紫檀
しんに鉛などを入れて重くしている。象牙その他の象嵌をし、殷・周青銅器、銘文、能筆家の対聯書などを刻して象嵌した対のものがあったりする。 石
寿山石、湖南石、青州石などで置物か鎮紙どちらにも使えるようなものが作られている。浙江省の青田石にもある。

奈良の古梅園で墨鎮紙を作っている。鎮祇の形にした墨ということであろうが珍品といえる。

古竹に彫刻した鎮紙で徐祐基は名人だったという。鎮紙に転用が利いたためかどうか、名品にあまり接しない。出所:『文房古玩事典』宇野雪村
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