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矢立 2009年7月12日更新
日本で独自な発達をしたものに矢立がある。日常携帯して即座に揮毫し、メモできる便利なものだった。武士は懐中に懐紙をもっていてこれに書き、商人は大幅帳、空帳などを持っていてこれに記入した。
矢立は墨壺の部分と筆筒の部分に分れている。銅製である。墨壺の中には真綿に含ませた墨液が貯えられてある。蓋と筆筒の蓋が連なっていて蓋をあけると筆が出てくる。鋒先を墨池に入れてひたして墨を含ませて書いたのである。銅は水を腐らせないので使われた。金銀象篏、彫鏤に精をこらしたものがあり、印籠、銅印などを付随したものもある。印籠は元来、印肉、印などを収める匣だったが、後には薬を入れるようにもなった。印籠には家紋をあしらったものもある。
長崎を通じて和蘭との通商を行った。日本では禁止されたキリスト教だったが彼等には信教の自由が許されていたかその人達の注文に応じて作ったのであろう、クルス形(十字架)の矢立がある。刻図は異様でエキゾチックなものである。矢立の国際制示すものとしてに注目される。出所:『文房古玩事典』宇野雪村
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