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釈迦牟尼仏陀 2009年9月21日更新
チベット中央部
11世紀
真鍮;金泥、彩色、遺骨封入
高50cm
個人蔵
これはチベットヘの仏教後伝期の初期に制作された、印象深い仏陀像である。力強い体つきをしているが、胴は少し華奢に調整されており、11世紀中期頃のイェマル(イワン)寺にある降魔堂の釈迦牟尼仏陀像や、およそ1081年頃とされている、東ツァン地方のダタン寺の壁画の仏陀像と、様式的に類似している。足の上にかかる薄い衣の縁、組んだ足の下に広がる衣の2、3本の襞、左のウエストと胸部にかかる幅広の帯、そして胸部を横切る縁の上にかかる衣の微妙なループ、これらが肌に密着した袈裟に、直線的な興趣を加えている。袈裟には、輪を点で囲んだ花と、三点で作った三角形のパターンから成る花の模様が、細かく点刻されている。大きく、そして角張っており、高く半球形の頭蓋と大きな頂髻を持つ整った顔貌は、キャンプのクンリク堂の彫刻群、特にイェマル寺の釈迦牟尼と関係している。ともに11世紀第2四半期頃のものである。カ-ブを描く張り出した目と、両端が上がった立派なアーチを描く眉毛は、イェマル寺の降魔堂の主要な彫刻群にみられる形とほぼ同一である。こうした点は、この印象深い彫刻が、11世紀中期以前の作であること、ツァン地方を出所とすることを強く示唆するものである。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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