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釈迦仏伝図 2009年9月22日更新
チベット中央部
14世紀
綿布着色
86.4×74.3cm
ツィンマーマン・ファミリー・コレクション
舎利弗(シャーリプトラ)と目(犍)連(マウドガルヤーヤナ)という2人の僧と、11人ずつのラマ座像の間に、釈迦牟尼仏陀が触地印を結んで座し、周囲を生涯のエピソードをあらわした仏伝図が取り囲んでいる。時計回りに中央上部から、次の通りである。
1)託胎霊夢、2)占夢、夢を王に伝える、3)誕生(以上右上)、4)アジタの予言、5)と6)習学、7)象の放擲、デーヴァダッタ(提婆達多)が殺した象を投げ飛ばす、8)弓術の試芸(1本の矢が7本の木を突き抜け井戸を掘る)、9)デーヴァダッタとの相撲、10)宮廷生活を楽しむ(右下隅)、11)四門出遊、城外で老人、病人、死人の三苦と比丘に出会う、12)出家踰城、13)剃髪(後ろに仏塔がある)、14)降魔成道(中央の釈迦像の下)。青い大黒天が中央におり、2人の魔王が各パネルの端にいる。 15)、16)、17)、18)は仏陀への布施(下の区画の左角)、19)龍王の妃からの供物、20)四天王の祝福、四つの鉢を―つに合わせる、21)初転法輪、サールナート(鹿野苑)における初めての説法、22)ウルベーラで、迦葉(カーシャパ)と500人のバラモンの入信、23)獼猴奉蜜、24)酔象降伏、ナーラギリの服従、25)忉利天より降下(従三十三天降下)(左上隅)、26)パリニルヴァーナ般涅槃、27)涅槃を象徴する仏塔。
主尊の堅く、威厳のあるスタイルと格調高い袈裟の表現、暗緑色と朱色がかった赤色が支配的な色調は、概して15世紀第2四半期のギャンツェのクンブム寺の壁画の様式と関係があるものの、このタンカはクンブム寺の壁画より以前のものと見られる。風景の部分は、クンブム壁画のそれより単純である。このタンカは、14世紀後半頃の重要な様式を示したものであるが、その様式とはおそらくシャル寺とギャンツェのクンブム寺の諸例と関係があるもののそれとはまた別の独特なもので、未詳ながら中央地域を出所とするもののようである。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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