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阿羅漢カーリカ 2009年9月25日更新
東チベット
16世紀
綿布着色
101.6×58.4cm
シェリー&ドナルドリレビン・コレクション
この阿羅漢は、おそらく環飾を持つカーリカであろうが、宝冠を持つラーフラである可能性もある。彼は上部が平らの岩に座り、沓を前にある小さな岩の上に置いている。侍者が、大きな金の鉢の中にある香に火をつけ、阿弥陀無量寿仏が上部左隅にあらわれている。主尊は、中国絵画に典型的な青緑山水の伝統にのっとって描かれた岩と森林に覆われた風景の地面の中程に位置している。写実的で装飾的でもある大きな木の下に配置された主尊の絵に占める大きさ、細部の描写の洗練、そして懸崖の近接描写など、すべて15世紀後期から16世紀前期の明のスタイルを示している。絶壁の面の重なりが窪みを示唆しているものの、明快に模様のように形を作っているということやくっきりした線が、その効果をそいで平面的な印象にしているーこれは明の絵画だけでなく、明様式のチベット絵画にも見られる特徴である。中国の手本に基づいたチベットの阿羅漢の絵画は、チベット絵画における風景の導入と発展の大きな要因となったのであるが、その風景は、東チベットの流派、特にカルマ・カディ様式には、中国の源により近いまま残っているようである。この作品は明らかに、明様式の風景で描かれたことの知られる阿羅漢の絵画と関連があるものである。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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