考古用語辞典 A-Words

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文殊 2009年9月30日更新

文殊

【和:
【中:
面白テーマ|彫刻・書画|>文殊

4匪紀後期一15世紀前期
青銅鍍金:半貴石象嵌
高31cm
ツィンマーマン・ファミリー・コレクション
文殊は、常に若々しく威厳のある般若の智慧の菩薩として世界中に生ずるように、と請願した古代の仏陀である。彼の特別な目的は、自省する仏陀の聴衆たちを導くこと、現実の本質を発見することである。通例、左手に般若経を持ち、そして右手には、智慧の標識である刃が二つある剣を持つ姿に描かれる。ここでは、持物が上に置かれた蓮華が、像の両側に1本ずつみられる(本像では剣は壊れている。
 文殊は胸前に両手を上げ、転法輪印を結んでいる。基部に巻きつく葡萄と踊るライオンの模様で飾られた、華麗な蓮華座の.上に、ゆったりと遊戯坐しているが、この飾りはおそらく、文殊がよく乗っている獅子座に関係するのだろう。文殊は、まるまる太った手足をした、厚ぼったい体をしており、丸顔で、無邪気でふくよかな微笑みをたたえ、健康的で親しみやすい、活気あふれる姿である。トルコ石や水晶、そして半貴石などが埋め込んであって、今もほとんどが残っており、豪華な飾りが、富裕な雰囲気を加えている。衣でさえも、連珠と宝石の房で覆われている。高貴な王者の光彩の中に、率直で純真な様子をしているのである。 様式的には、この像はインド彫刻、特に南インドで13世紀から16世紀に発展した様式と関係があり、14世紀後期から15世紀前期のデンサティル寺の彫刻群と最も近いと見られる。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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