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弥勒菩薩 2009年10月1日更新

弥勒菩薩

【和:
【中:
面白テーマ|彫刻・書画|>弥勒菩薩

中国(パーラ様式のに統を引き継いている)
18世紀中間
銀製打ち出し;部分組み立て、彫金、真珠、トルコ石、珊瑚、スマルト(花紺青)
高28.6cm
エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク
ここでは、未来仏弥勒は、さまざまな飾りで豊かに飾られた菩薩としてあらわされている。蓮台の上に両足をのせ、両手は胸前で、転法輪印あるいは説法印を結んでいる。持物は、友肩のところにある、水瓶を安じる2本の蓮華と、右肩のところにある宝輪であるにの持物の上部は失われている)。
 本像は、古いインドのスタイルの明らかな複製で中国人の工人の作になるという、興味深い例である。本像の台座は、特に後背装飾など、まるで東インドの見本を借りてきたかのようである。この部分の構成は、基本的に、例えばエルミタージュのコレクションの10世紀の弥勒像に見られるようなものと同じである。
 その後背装飾も、別々に分けて見ると、それぞれの部分はすべて、まったくの中国製である。ライオンは典型的な中国の獅子である。鹿にのっている夜叉の顔は、中国の民画の少年のそれである。不明瞭な摩竭魚(蛇と象を合成した生き物)は、インド洋の怪物よりも、この工人にとって親しみのある龍にとって替わられ、そして中国に伝統的な山の表現が、下の方の台座の後背装飾にあらわれている。
 弥勒の像については、清のラマ教美術の伝統にのっとってあらわされており、インドの影響を受けた跡がない。ここには、清様式に必要なすべての要素が揃っているのが見られる。例えば標準的な清のデザインの宝冠の装飾板や、肩に掛かる長い垂髪の三つの髪束とそのうちの一束がカールして上がっているところ、天衣が弥勒の肘のところで二つの輪を作っているところ、そして腰紐の中央に見られる蝶結び、などである。この蝶結びなどは、18世紀中期頃までには、清の像のほとんど必須のものになったものである。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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