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大成就者ガンターパと配偶者 2009年10月4日更新
チベット
16世紀後半一17世紀前期
青銅鋳金
高22.7cm
ヴィクトリア&アルバート美術館
ガンターパは北東インドの有名なナーランダ僧院大学の禁欲的学僧であった。彼がデーヴァパーラ王(在位809-849頃)の宮殿への招待を、王の不誠実さのために拒絶したとき、その王は怒って、彼の禁欲に賞金をかけた。物質的な報酬を勝ち得ようとして、地元の娼婦が彼を誘惑させるためにその美しい娘を送った。少女はついに成功をおさめて、2人は夫婦となった。彼女がガンターパとの間に子供を生んだとき、王は恨みを晴らしにやってきた。多くの従者と共に、彼はガンターパを告発した。ガンターパは、その赤ん坊と酒の入っているヒョウタンを地面にたたきつけた。地が裂けて、大量の水が外へと噴出した。赤ん坊とヒョウタンは金剛杵と鈴へと変化し、ガンターパは、それらを手に取った。パラマスッカ・チャクラサンヴァラ仏へと変化して、ガンターパは、ヴァジュラヴァーラーヒーヘと変化した配偶者とともに空中に浮かび上がった。観音が、大水からデーヴァパーラとその従者たちを救いに現れた。彼らは許しを請い、ガンターパの許で、大楽輪の灌頂を授けられた。
ガンターパとその配偶者は、パラマスッカ・チャク・ラサンヴァラとヴァジュラヴァーラーヒーのように、合体した姿で示されている。このふたりは、複雑で、魅力ある光景を見せている。大成就者の足や身体や腕の力強い対角線的な動きは、その配偶者の油断なく曲げている身体で完成されている。彼は、慈悲の金剛杵と智慧の鈴を持ち上げている。彼女は、ヴァジュラヴァーラーヒーの持物である金剛包丁と髑髏杯を高く持ち上げており、彼女が研ぎ澄まされた智慧の象徴であり、世間的なものを覚りの醍醐味へと変質させたことを象徴している。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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