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本初仏・普賢父母仏 2009年10月6日更新
チベット中央部
16世紀後半
綿布着色
86.4×71.1cm
シェリー&ドナルド・ルビン・コレクション
深青色の根本仏である普賢(サマンタバドラ=普遍的な徳)とその純白の智慧の妃サマンタバドリー(普賢仏母)とともに、すべての仏の法身、最も深遠な究極の世界の実在、すべての生き物が無意識に経験するが覚りを得たもの以外には意識できない至高の真髄としてあらわされる。覚っていない者にとって、根本的で真実自身の抗しがたい徳の信仰を見いだすのに、このような尊像を用いることは、その発展にとって本質的で、霊的に良き存在であると考えられている。中尊の背後には、白い挙身光の光背があり、沈んだ色の空と雲と、金線でふちどられた青い丘陵と雪山といった周囲の暗い背景の中でオーラを発している。丘陵や山は、鳥瞰図的な構図で描かれている。たくさんの小さな如来や諸尊、護法尊をそれぞれ単独で風景の中にちりばめて並べる表現は、自然主義的なものと神秘的なものとの明確な関係を確立し、このタンカがおそらく関連している、死んでから再生するまでの期間である中有(バルドゥ)の世界を見事に喚起する。このタンカの型は、ニンマ派の伝統に連なるものだが、画面右側にミラレパが小さくあらわされている点では、このタンカがカギュ派の修行者のために作られた可能性も示唆できる。様式的には、ツィンマーマン・コレクションのタンカに似ており、この作品も同じ時代の同じ地域のものであろう。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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