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大輪金副手・神妃 2009年10月7日更新
チベット中央部
15世紀前半
真鍮;金泥、彩色
高37.6cm
ツィンマーマン・ファミリー・コレクション
強烈なエネルギーが、この合体像から浸出し、放射される。恐ろしくかつエロチックな姿の三面六臂の金剛手は、主にナーガ(地中や海底にいる蛇のような龍)の調伏と関連づけられる。妃は一面二臂であとは金剛手とほぼ同じ姿である。神妃を抱擁する「父母仏(ヤプュム)」の形であらわされる。女尊の右足は男尊の左足にかけて、左足は男尊の左足の甲に置く。両者は舞踏のバランスをとりながら、荒々しい龍の無知と悪をあらわす人物像を踏みつけている。この作品は形が非常に複雑だが、二尊は見事にバランスよく調和を保ち、ダイナミックな動感が全体にみちている。手足と体が均衡を保ち力を発散している。かたいけれども力強い動きのある腰衣や天衣、瓔珞や金剛手の口や耳から出る蛇は、像の迫力と強烈さをさらに強める。
作品の動感や内なるエネルギー、進んだ写実主義、とくに金剛手とその妃の顔や手足の特性と描写におけるそれは、15世紀初期の彫刻と関連づけられる。柔軟性のある弾力的なスタイルは、ギャンツェのペンコルチューデ寺の15世紀第2四半期の頃の彫刻にみられるものである。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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