考古用語辞典 A-Words

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サキャ派ラマ ソナム・ツェモ 2009年10月9日更新

サキャ派ラマ ソナム・ツェモ

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面白テーマ|彫刻・書画|>サキャ派ラマ ソナム・ツェモ

チベット中央部、おそらくツァン地方 15世紀後期-16世紀前期 銅合金;彩色 高18.4cm ロサンゼルス・カウンティ美術館 この逞しく大胆な像は、初期サキャ派の高僧ソナム・ツェモ(1142-1182)の肖像彫刻である。その像主比定は台座底面の前よりに記された銘文による。ソナム・ツェモはクンガ・ニンポの息子であり、はじめ父に教えを受けた。この像において、彼は衣のうえに袖付きの上着を着た姿であらわされているが、それはサキャ一族における俗人としての高い地位を示している。サキャ派は、派内の階級制度において、俗人にもラマにも対応しているのである。彼は偉大な学匠として、そして仏典の蒐集者としてよく知られた人物である。  これは大きくて、幅が広く、強い印象を与える像でありながら、同時に強い主張や尊大さを感じさせはしない。衣のうねりによって生み出される心の動揺とは対照的に、温和な表現による自然なゆとりが感じられる。深く激しく彫り込まれた衣のひだ、鋭く折りたたんだ衣端によって、この像の着衣は力動的な活力を媒介するものとなっている。  この像は折衷主義的性格をもっており、多くの先行する美術のスタイルヘの関連を示しているが、量塊感における自然主義的傾向が進んでいる点と衣のひだの大胆な自由さからみて、おそらくこの像は15世紀後期から16世紀前期にかけて制作されたものと考えられる。16世紀後期に制作され、この像よりさらに高度に自然主義的傾向を強めているカルマ・ドウツィ像よりも、この像が先行するのは確かである。出所:天空の秘宝チベット密教美術展
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