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大黒天パンジャラナータ 2009年10月9日更新
チベット中央部
14世紀
銅合金;象嵌、鍍金、彩色
高40.2cm
ウィラード・G・クラーク夫妻・コレクション
この二臂の大黒天は、髑髏杯の中にある否定されるべきものを金剛包丁で砕いている。忿怒の表情にもかかわらず、とても愛らしくあらわされている。細く堅い天衣を円く周囲にひるがえらせ、左右対称に丸々とした身体を縁取り、少ししゃがみ込んで蓮台の上に仰向けに横たわった悪魔を踏みつける。頭にしっかりと巻き付けたり身体に付くように垂らしたビーズの首飾り、宝冠、腕輪といった装身具を付け、鍍金した滑らかな銅の身体の表面とのコントラストをなす。ふさふさした巻き毛の頭髪の赤い顔料と象嵌が像により色を加えている。顔貌は堅く精密で、14世紀前期のツァンのシャル寺の壁画の忿怒尊の顔に似ていて、それが、この素晴らしい彫像の制作年代の一つの指標となる。出所:天空の秘宝チベット密教美術展
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