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パラマスッカ・チャクラサンヴァラ父母仏 2009年10月21日更新
ルーイーパ曼荼羅
中央アジア、ハラホト
1227年以前
綿布着色
80×66cm
エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク
パラマスッカ・チャクラサンヴァラ(略してサンヴァラ)は、無上瑜伽タントラの母タントラ系の守護尊である。ハラホトの仏画では、サンヴァラは独尊と神妃ヴァジュラヴアーラーヒーを伴うものと両方が描かれる。サンヴアラ信仰は、タングートで盛んであった。
この画像は、ハラホトのヴァジュラヴァーラーヒー画像と同じく神々の曼荼羅と見なすことができる。幾何学的構成や曼荼羅建築的な表現もみられないが、この画像は、曼荼羅の宇宙論による四分法で構成されている。
中央に青色の四面八臂のサンヴァラがいる。多彩色の蓮台にのる赤い日輪の中に立ち、その中は赤の火焔でうめられている。中央の面は、正面(東)を向き青色で、右の南面は緑、反対側の西面は赤色である。サンヴァラは、その妃ヴァジュラヴァーラーヒーを抱く姿で描かれる。妃は赤色で一面三眼である。
人骨の飾りや、五髑髏冠など瑜伽行者の持ち物などで飾られている。火焔光背の外側の区画全体に、薄青色でハ屍林の風景が描かれ、特に古代インドの燃える地の聖なる屍林(shmashana)が描かれている(タントラ的観点から見た現世の象徴となり、曼荼羅の八方の周縁に位置している)。中央部の周辺の枠には、ルーイーパ六十二尊曼荼羅の尊格が描かれている。すべて火焔光背をもつ。
オルデンブルクは下から2段目中央の尊像を一面四臂の青不動に同定している。ここでは不動は、サンヴァラ曼荼羅とは何の関係も持ってないが、護法尊の役割を果たしている。サンヴァラと不動との関係はほかにない組み合わせである。成就法や図像集にも両者を組み合わせるものは、見つからない。結局この画像はルーイーパ六十二尊サンヴァラ曼荼羅の図像に一致し、中尊頭上の二臂青ヘールカと下部の不動とが例外的にあらわされているものである。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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