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ツォンカパ・その生涯 2009年10月24日更新
チベット中央部
17世紀
綿布着色;金彩
84.5×61.3cm
個人蔵
この赤色の地に金彩で描いたタンカは、チベットの偉大なラマ、ツォンカパとその周囲を彼の伝記のいくつかの場面で囲んだものである。右下から時計回りの配置で場面があり、それぞれに題記がある。
1)「彼は、奇跡の季節の間、ラサでの大祈願祭をはじめた。準備は充分で不足なく、心からの捧げものを捧げ、彼は十方の天から仏菩薩の啓示をみた。そして彼は、チョーウォー・リンポチェに金冠をささげた。」2)「ヤルルンのナムギャル寺では、ツォグチェンパとジルディンパが座主で指導者であり、忠実な僧の数だけ、得度をあたえた。仏の教えを日の出のごとく輝かせた。」3)「デワチェン寺に最初に行ったとき、彼は、般若の教えを一新した。」4)「セラにて、彼は秘密集会、母タントラ、究竟次第、人中論の膨大な注釈といったものを教えた。」5)「ガワドンでは、彼は多くのタントラの教えと原理を、訳経官ラマ・ウマパとともに文殊より聞いた。デーブンでは、千人の学僧に菩提道次第広論、ナーローの六法、秘密集会など多くの教えをなした。」6)「多くのキョルモルンの学僧たちに、カーラチャクラ(時輪)、般若波羅密等の教えをなして、師と弟子は、一乗になった。」7)「ポタラ宮にて、彼はガンデンやキョルモルン、ズィンチのように、秘密集会に関する多くの教えを多くの賢者になした。」ふんだんに金を平板に使い、建造物の抽象的な透視図法、花や雲、日光、蓮台などの細部に見られるすぐれた線描といった、すべてのものが精密になされている。また、諸要素が生きている存在としての感覚があり、この種の作品の代表作にふさわしい。背景の描き方に17世紀の中央部の様式の成熟がみてとれる。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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