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大黒天 2009年10月27日更新
チベット・中国様式
17世紀
真瑜鍍金;二つに分けて鋳造、彩色、貴石
高35.2幅27cm
ロイヤル・オンタリオ美術館
大黒天(マハーカーラ)はチベット仏教の中でも、最も人気の高い忿怒尊である。大黒天は寺の入口や、特別な祠堂に安置される。神話では、大黒天は観音に従属する者であるという。また、慈悲の菩薩の忿怒の形であるとも考えられる。
この立派なやや大きめの像は、真瑜鍍金の六臂像の形を取る。中央の二手はそれぞれ大黒大の特徴である金剛包丁と髑髏杯をささげ持つ。これらは、内の耽溺や、外の覚りの追求への悪しき障害を破壊し変容することを象徴するものである。残りの右手には髑髏の数珠とダマル太鼓を持ち、左手は一般に三叉戟と羂索を持つ(現在欠失)。上の二臂は象の生皮の足を持ち、背中で広げる。虎皮の腰衣を大きく力強く膨らんだ腹の周りに巻く。ほかの装身具は、忿怒尊に一般的なものである。50個の生首の瓔珞や蛇の聖紐(バラモンが身につける聖なる紐)、蛇の腕輪、五髑髏冠などである。深緑色の玉と珊瑚色の玉が装身具にはめ込まれている。
天衣をはためかせ、力強い姿勢を強調している。自分が降伏した者として仰向けに臥した象頭のガネーシャを踏みつけている。ガネーシャは髑髏杯を持ち、装身具には玉が貫入されている。巨大な髑髏冠におされた金箔の効果も相俟って、炎のように逆立った炎髪が光背のようにあらわされている。頭部が巨大な大きく明確な顔貌が、活発な写実性によって、作品の中心的表現となっている。出所:天空の秘宝チベット密教美術展
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