ナーロー・ダーキニー　2009年10月28日更新

チベット・中国様式
18世紀前期
真鍮鍍金；分けて鋳造、彩色
高16.5cm
エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク
ダーキニーは、空を飛ぶ者(ナムカードーマー、空行母)の意である。ある時は､天女であり、また、超越的な智慧と力を持った地上の女性であったりする。ダーキニーたちは､インドやチベットの偉大な瑜伽行者の金剛乗密教の実践に際して、奥義を伝えたり教えをなしたりその手助けをしてきた。ナーロー･ダーキニーは天女の仏で、パラマスッカ・チャクラサンヴァラ･タントラと関連し､インドの偉大な祖師である大成就者ナーローパにその奥義を伝授した。この女尊は別名サルヴァブッダ･ダーキニー(すべての仏の精髄のダーキニー、一切仏荼吉尼)という。
　ナーロー･ダーキニーは､金剛包丁を右手に持ち、髑髏杯を左手に持ち、左肘先で髑髏と人頭の付いたカトゥヴァンガ杖を支える。髑髏でできた首飾りと宝冠を付け、降伏した神であるバイラヴァとカーララトリーを踏みつけており、彼らは足下の台座にひれ伏している。出所：天空の秘宝チベット密教美術展
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