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毘沙門天 2009年10月29日更新
チベット・中国様式
18世紀前半
真鍮鍍金;彫金、彩色
高17.2cm
エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク
北方の守護者、毘沙門天は、財宝神としてあらわされる。その図像は伝統的なもので、獅子に座り宝幢を右手に持つ。この形式の尊像をマハーピータ毘沙門天(大黄毘沙門天)という。非常に高い完成度に達した中国の武人の衣装を身にまとう。鎖つなぎの鎧に、胸甲、背甲があり、獅噛の肩甲を付け、長靴を履く。
この彫像は、やや折衷的である。明代と清代のチベット・中国様式の伝統の両方の要素を併せたものである。着衣は明代のタイプに近い。毘沙門天の胸甲の上から首周りの部分を飾る点描の渦巻文にも同じことがいえる。それと同時に、ほかの形の細部が、清代の作風と関連づけられる。耳飾りや蓮弁のデザイン、毘沙門天の髪の装飾、特徴ある花文(獅子の背中の敷布や毘沙門天の背中の衣にみられる)や、宝冠、長靴の脛甲部や外套、獅子の首輪など彫像のさまざまな部分にあらわれる特有の三角文が、そうである。この形の混交様式は、18世紀前半まであらわれる。 18世紀中期頃になると、中国ラマ教美術における明代の伝統は、完全に清代に大量生産される比較的単純な様式に置き換わってしまう。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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