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十一面八臂観音 2009年10月31日更新
中央アジア、ハラホト
1227年以前
綿布着色
132×94cm
エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク
この力強く活力に満ちた十一面八臂観音は、結跏趺坐している。観音の中央の二手は合掌し、手中の如意宝珠がわずかに見える。他の右手は数珠を持ち、与願印を結び、輪宝を執る。残りの左手は白蓮華、水瓶、弓矢を持っている。主尊の図像と同様、玉座の形やおなじみの尊像は、インドやネパールの伝統に由来している。最上列の五仏は、様式的に極めてチベット風である。花模様のある暗緑色の背景は、ハラホトの聖画像にはしばしば見られる。ハラホトでは青や赤の背景もあるが、花模様を散らしているのは同様である。観音の背後の左右には、印を結び驚愕の眼差しをした2人の憎がいる。恐らく、阿難と大迦葉だろう。
観音は8人の護法尊に囲まれている。中段に左右2体ずつ対照的に配置されている計4体の尊像は、菩薩のような姿の四天王である。中段左上には、リュートを持ち、白色の肌をした東方の守護神、持国天である。その下は、北方の王、緑色の毘沙門天であり、両手に瞳を持って描かれている。中段右上は南の守護神、青色の増長天で、剣を持っている。その下には、西方の守護神、赤色の広目天がおり、白蛇を握っている。最下段の護法尊達は一つの蓮華座に共に座している。左から、赤色の馬頭、次に坐っているのが、手に傘を持つ白色の白傘蓋仏母である。しかし、その名にもかかわらず、傘は白くなく、虎の縞模様が描かれている。次は、白い払子を持つ黄色の摩利支天、右端に座っているのが、青蓮華を持った緑ターラーである。
出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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