考古用語辞典 A-Words

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阿弥陀 2009年12月1日更新

阿弥陀

【和:
【中:
彫刻・書画|青銅器|>阿弥陀

チベット中央部または東チベット
14世紀またはそれ以前
青銅鍍金;象嵌(大部分は近年の補修)、金泥、彩色(大部分は近年の補修)
高25.5cm
個人蔵
この彫刻は、その美しさ、優雅さ、繊細さに特徴がある。かつては豊かに宝石で飾られていたが、そのほとんどは失われている。それにもかかわらず、素晴らしい宝石の組み合わせや、繊細に襞が付けられ折り返された条帛や腰衣によって、ほっそりとして、やや伸ばされて、堅苦しく形作られた胴体に、調和のとれた線の交錯が与えられている。顔の造作は小さく非常に美しく、無量の寿命を持つ仏陀である阿弥陀のこの像の演出に、さらなる優美さを授けている。台座には基部全体を取り囲む手の込んだ蓮弁が付いており、その基部にはランツァ文字で阿弥陀真言が記されている。
 この洗練された作品の全体的な様式は、ある種の中国末代の彫刻様式に類似しているように思われる。腕に掛かる条帛のU字型の折り返しは、早くも11世紀頃のイェマル(イワン)寺の本堂や阿弥陀堂の彫刻に見られる特徴である。堅苦しい胴体や宝石の帯も同様である。条帛のU字型の折り返しや幅の狭い襞は、15世紀第2四半期のギャンツェのクンブム寺の壁画やペンコルチューデ寺の彫刻などに、より際だった形で現れる。しかし、一般的にはこの彫刻は、永楽年間の銅像と同様に、それより先行するものだと思われている。この彫刻は、早ければ11世紀の作品である可能性もあるが、遅くともおそらく14世紀を下ることはないであろう。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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