鉞　2010年3月4日更新

青銅
長31.7、幅35.8、重4.9kg
1965年、山東省青州市蘇埠屯1号墓出土
商時代･前13－前11世紀
Bronze Axe
　鉞は木の柄につけて、生贄や罪人の首などを叩き切るための道具である。この鉞の両面には、大きな顔が作り出されている。歯を覗かせた□はつり上がっているだけではなく、両端が内側に抉りこむように裂けている。目は怒気をたたえて見聞かれているようであり、その中で環状の瞳が突出する。刻みの入った太い眉、上部が箆状を呈する不思議な形の鼻も、浮彫り状に鋳造して強調している。まるで裁きの権力を象徴するかのように威圧的な造型である。
一説によれば、「王」という漢字は刃を下に向けた鉞をかたどった象形文字であるという。山東省青州市蘇埠屯遺跡の大墓から、この鉞とともに人頭骨24個と、｢亜醜]の銘文をもつ青銅器3点が出土した。この墓には｢亜醜｣を名のる一族で殺生与奪の権限を握っていた首長が葬られていたのであろう。出所：『悠久の美-中国国家博物館名品展』
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