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(素+命)鎛 2010年3月8日更新
青銅
高66、口44×34.8
伝1870年
山西省万栄県廟前村出土
春秋時代・前7ー前6世紀
“Ming" Bronze PoBell
鎛とは鐘の一種で、釣手の部分が特に複雑にられたものである。吊り下げて、胴部を木槌や撞木の類で叩いて鳴らした。大小数個のセットを作りメロディーを奏でることができるようにしたものも発見されているが、本作品のように大型のものは単独で使用されたものと思われる。
片面に「佳王五月初吉丁亥」に始まる18行174字の銘文がある。銘文は上の写真の石上隅から始まり(左頁に銘文の冒頭を拡大図で示す)、石下隅、中央、座下隅、左上隅へと続く。斉国(現在の山東省)内で領地を与えられた鮑叔という人物の孫である(素+命)が、曾祖父母、祖父母、父母の祭祀のためにこの鎛を作ったこと、鮑叔は功績により斉侯から299の村などを賜ったこと、当代の斉侯が子々孫々まで領地を保障したので、(素+命)は職務に励むことを誓ったこと、などが記されている。
銘文にみえる鮑叔は、春秋時代の五覇(春秋時代の五人の有力諸侯)の一人、斉の桓公(位前685-前643年)に仕えた鮑叔牙のことと考えられる。鮑叔牙の子孫が斉国の重臣として領地を与えられていたことが、この銘文から明らかになった。
出所:『悠久の美-中国国家博物館名品展』
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