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王子午鼎 2010年3月8日更新

王子午鼎

【和:おうしごてい
【中:Wang Zi Wu ding
春秋戦国|青銅器|>王子午鼎

青銅
高67、口径66、重110kg、匕:長63.3、幅8.5、重1.28kg
1979年、河南省淅川県下寺2号墓出土
春秋時代・前6世紀
"Wang Zi Wu" Bronze Ding Vessel
 足が3本、把手が二つついた容器を鼎という。通常の鼎は、肉などを煮る鍋であるが、この鼎は銘文の内容から、別の鼎で煮た肉をお供えするために盛りつけた容器と考えられる。発見されたとき、中には牛の骨が多数残っていたので、骨つきの肉を入れていたものと考えられる。
 下寺2号墓からは、形状がこれとほぼ同じで大きさが異なる鼎が7点出土した。この作品はそのうち最も大きいものである。蓋を伴う。蓋の縁の、把手や口繰上の装飾にあたる部分は乱雑に打ち欠いているが、こうしたことは中国古代の青銅器では珍しい。身の側面には壁をよじ登り口縁の上に頭を出した龍の装飾を6個つける。龍の造形は複雑で、鋳造技術の高さを示している。足にも複雑な文様が表わされている。器の内側には、壁から底にかけて、鳥書と呼ばれる装飾的な字体による14行84字の銘文がある。王子午という人物が自らの功績を自賛する内容である。この鼎には、料理をすくいとるためのヒ(さじ)が伴っている。
 王子午については『春秋左氏伝』に記載がある。楚の荘王(位前613-前591年)の子で、楚の令尹(総理大臣)となり、前552年に死去した。前6世紀に長江流域の楚国で青銅器鋳造技術や文字文化が独自の発展を遂げていたことを示す作品である。出所:『悠久の美-中国国家博物館名品展』
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