祭祀場面貯貝器　2010年3月16日更新

青銅
高53、口径32、底径29.5
1956年、雲南省晋寧県石寨山12号墓出土
前漢時代･前2－前1世紀
Bronze Cowry Container with Festival Scene
　この貯貝器の蓋では、計129人の人物とさまざまな動物による大規模な祭祀の全景が表現されている。よくみるとそれは複数の空間に分けられる。空間1は、屋内で主人および食事を供応する9人で構成されている。主人だけが椅子に座っているのに対し、他はみな正座である。配置から考えて、この祭祀の中核的な場面であろう。
　空間2には刑具をつけた人物が多い。磔にされた全裸の男性がとくに目を引く。神への捧げ物や観衆への王権の示威として、祭祀に犠牲は不可欠だったのであろう。
　空間3では牛や豚を解体している。切り分けた肉をすぐ横の大きな鼎で煮込んで、空間1の食事に供したものと考えられる。
　空間4にはつながれた虎や豹、蛇などの動物がいる。餌として大が虎に与えられている。飼育された猛獣を観衆に示して、主人が権威を高めようとしたのかもしれない。奥には豚、馬などの家畜もみえる。このほか楽器演奏の空間や、貢物を携えた人々が群集する空間などがある。出所：『悠久の美-中国国家博物館名品展』
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