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錯金銀虎鎮 2010年4月22日更新
く金銀をはめ込んだトラ形のおもいし>
戦国秦
金・銀・青銅製
長さ20cm 高さ11.5cm
1974年陝西省西安市東郊史家湾村
陝西歴史博物館
鎮は、敷物の4隅を押さえるのに使用される「おもし」である。虎のほかにも、牛やヒョウなど、動物をかたどってつくられることが多い。満城漢墓からもヒョウのおもしか出土している。形は伏した虎を表現している。虎は口を大きく開け、ふたつの眼で前方を凝視している。まさに獲物をとらえようとしているのだろう。腹部と背部に小さな穴があいている。
「虎にまつわるエトセトラ」
中国の領域内にはアモイトラ・ベンガルトラ・シベリアトラ(アムールトラ)などがおり、中国のトラは6亜種あるとされている。しかし、ジャワトラ・バリトラ・カスピトラなど、すでに絶滅した品種も多く、アモイトラも現在の棲息数は30頭前後まで減少していると言われている。
トラは体が大きく、また行動範囲が広い。そしてトラが住む地域は森林地帯である。人間が森林を開発することで、トラたちは住み慣れた森林を追われてしまう。その上、美しい毛皮を狙う密猟者によって、極端に数を減らしているのが現状である。現在、黒龍江省で飼育・繁殖させたトラを自然に戻す計画が進められているが、絶滅はもう目の前である。
『荘子』内篇応帝王第七に「虎や豹の美しい皮の紋様が狩りを招く原因になる」と書かれており、古くから人間はトラの皮を手に入れるために、トラを狩っていたことがわかる。また後漢の班超の言葉に「虎穴に入らずんば虎子を得ず」というものがあり、強さや勇敢さの象徴でもあった。だからこそ軍事力の証である虎符やおもしとしての虎鎮が作られたのである。しかし、これは逆にトラが人間から狙われる原因ともなった。強すぎるのも考えものである。出所:「大兵馬俑展」
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