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兜 2010年9月13日更新
(本体はオリジナノレ,頬当てと頂部は複製)
Helmet(Origina1: helmet; RePlica:a cheek-Piece and base of the crest)
ペラ洞窟,アグリス,シャラント,フランス
鉄・ブロンズ・金・銀・珊瑚,長さ23cm
紀元前4世紀後半,西フランスまたは南西フランス
アングレーム市立美術館寄託
この兜の発見された岩窟は聖域であったと考えられる。角のある蛇を頬当てに表していることからも、この兜が祭儀に使われたことは確実である。角のある蛇ぱグンデストルップの大鍋にも現れるが、それよりも遥かに古いケルト美術最初の表現である。 1981年以降、兜、項飾りの基部、頬当ておよび装飾部品の断片が発見されている。支持材は鉄で、その上にブロンズと金を張り、金線と珊瑚で装飾を補完し、頭に鍍金を施した銀の鋲で固定している。パルメット、ロートスといった植物文、本体頂部のコンパスによるモチーフなど、装飾の大半はアルプスの北の初期様式である。連続植物文様式は中央装飾帯のS字連続文の上下の三角形部分に限定されていることから、制作年代は紀元前4世紀後半と想定される。装飾帯の配置はベリュ・タイプの線刻装飾帯に由来するが、ここでは兜の全面を覆うに至っている。時代が下る北イタリアのモンテフオルティーノ・タイプからの影響は考えられない。支持材に鉄を使うこと、および頬当てを鋲で留める技術もアルプスの北の特徴であり、ブロンズに金を張るのはヴァイスキルヒエンの装飾板などラ・テーヌA期の技術である。しかし金99%、銀0.5%、銅0.2%という古代においては例外的な金の純度は、中央山岳地帯の金鉱を利用したと思われる南西フランスの装身具と共通している。従ってアグリス出土の兜は、アルプスの北で技術を習得した工人が南西フランスで制作したと推定され、紀元前4世紀にはケルト文化がフランスの西の端にまで浸透していたことを示している。出所:「古代ヨーロッパの至宝--ゲルト美術展1998」
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