鞘.・剣　2010年9月14日更新

Scabbard and its sword
コジュド,第15墓,ノーグラード,北ハンガリー
鉄,鞘:長さ58cm,幅5.2cm,剣:長さ69cm,幅5.2cm
紀元前3世紀第1四半期
ブダペスト,ハンガリー国立博物館
副葬に際し、刀身を鞘に収めたまま三つに折り畳まれた。古い鞘に新たに装飾を加えている。鞘の上端に互いに向かい合う一対の龍を表し、下端のこじりには七葉と八葉のロゼットを装飾する。動物リュラー文とも呼ばれる一対の龍を表した鞘は、イギリスからトランシルヴァニアまでケルト世界にあまねく分布している。マルヌ地方の例が年代的に最も早いことから、このモチーフはかつて想定されたようにスキタイからではなく、イタリアのエトルリア人からもたらされたものであることが分かる。起源はアルカイック期ギリシアのパルメットを挟んで向かい合う蛇であり、本例でも中央にパルメットが保持されている。出所：「古代ヨーロッパの至宝--ゲルト美術展1998」
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