木製水差し装飾部品 2010年10月5日更新
本体が失われた木製水差しの装飾部品6点:
(a)前面の装飾人面二つ
(b)ふだのつまみグリュプス
(c)把手の下の装飾怪物の面
(d)注ぎ口の周りの装飾動物の顔
(e)側面の装飾
(f)反対側の側面の装飾
ブルノ・マロミェジツェ,モラヴィア,チェコ
鋳造ブロンズ,(a)長さ8.8cm,重さ32g,(b)高さ8.3cm,重さ170g,(c)長さ8.5cm,重さ25g,(d)14.9×12.1cm,重さ210g,(e)22.0×17.8cm,重さ115g,(f)22.0×19.0cm,重さ145g
紀元前3世紀
ブルノ,モラヴィア博物館
溝で囲まれた墓で発見され、重要な人物に副葬されたことが推定されるが、組織的な発掘が行われなかったため不明な点が多い。豊富な装飾部品とその形状によって、木で作られていた壷の形が復元されている。腹部の張った脚付きの壷で、円筒形の注ぎ口と垂直の把手があり、ぶだの上にはグリュプスが乗っていた(b)。腹部の両側面の装飾では、次々と繋がっていく渦巻の結節部に目が表されている(e、f)。注ぎ口の周りに装着された部品では、複雑な構成の中心に動物の顔が現れる(d)。把手の下には怪物の顔が表されている(c)。脚部にはパルメットを戴く三つの部品と、互いに向かい合わせになった二つの人間の顔を表した部品がある(a)。全体として植物文と人と動物の要素の融合が見事である。これらの表現の意味は明らかではなくとも、この容器が宗数的祭儀に使われたことは推測できる。出所:「古代ヨーロッパの至宝--ゲルト美術展1998」
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