考古用語辞典 A-Words

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大鍋(複製) 2010年10月7日更新

大鍋(複製)

【和:
【中:
金銀・玉器|面白テーマ|>大鍋(複製)

Cauldron(Replica)
(オリジナル)
グンデストルップ,ユトラント,デンマーク
銀・金,高さ42cm,最大径69cm,重さ8.885kg
紀元前1世紀末?
コペンハ一ゲン,デンマーク国立博物館
(複製)
銅・銀・金,高さ42cm,最大径69cm,重さ約20kg
1894年,デンマーク国立博物館
サン・ジェルマン・アン・レー,フランス国立古代博物館
1891年にデンマークの泥炭地で発見された。外周の一枚が失われているが、もとは外周に八枚、内周に五枚、全部で13枚の長方形の板を、さらに内庭にも円形の板を、錫を使った溶着と鋲によって大鍋の本体に装着していた。外周の装飾板には打ち出しで男神と女神の上半身を交互に表している。鍋の各部分、目の象嵌、髪とひげの植物文的表現にケルト美術の特徴が認められる。内周のより長い装飾板には神話場面が表されているが、その解釈については議論がある。車輪を特つ神は一般にタラニス、鹿の長い角のある神はケルヌンノスとされている。馬に乗った戦士たちは頂きに猛禽を乗せた兜をかぶっているが、これはルーマニアのシウメスティで出土したケルトの兜を想起させ、カルニュクスを吹く戦士たちは疑いなくケルト人である。他方ライオン、グリュプス、英雄に倒される怪物、イルカに乗った人物などのモチーフには黒海周辺の影響が認められる。内庭の中心の装飾円盤についても様式的に同じことが言える。黒海地域にはオリエント、スキタイ、ギリシアの要素が混淆していた。従ってグンデストルップの大鍋は一般に、紀元前1世紀に東方のケルト人によって制作されたと考えられている。それがデンマークで発見されるまでの経緯は分からないが、ユトランド半島のキンブリー族とケルトとの接触と関係があるかもしれない。いずれにせよ神への奉納品として泥炭地に沈められたと考えられる。これまでにヨーロッパとアメリカで作られた複製には電気メッキ法による8点と石膏による1点があるが、サン・ジェルマン・アン・レーのものは発見当時の破損状況まで忠実に再現している。出所:「古代ヨーロッパの至宝-ゲルト美術展1998」
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