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彩色土器3点 2010年10月19日更新
3 Painted vases (a-c)
ピュイ・ド・ラ・ポワ,クレルモン・フェラン,ピュイ・ド・ドーム,フランス
粘土
(a)高さ24.2cm,径13.4cm,重さ730g
(b)高さ31.8cm,径15.8cm,重さ1000g
(c)高さ27.8cm,径15.2cm,重さ870g
紀元前2世紀中頃
クレルモン・フェラン,地方考古局
1991年に井戸の底から極めて良好な保存状態で発見された12点の土器のうちの3点を展示する。ケルト人が紀元前2世紀にもなおギリシア・ローマ美術の影響の外にあって、旺盛な創造性を発揮していたことを示す見事な例である。この時期、彩色土器の制作の中心地はフランス中部にあり、とりわけオーヴェルニュが最も活発であった。前2世紀初頭から急速に発展したが、同世紀末には突然活動を停止した。純粋に幾何学的な装飾の他に、より複雑な、多くは動物を描いた作品が注目される。この種の手の込んだ装飾には長く伸びたエレガントな器形が使われた。(a)(b)では幅の広い筆を使い、大まかに、あるいは肥痩をつけながら描いている。この「カリグラフィック」な技術は前2世紀前半によく適用された。(c)では細い筆で入念に、文様の中にさらに文様を描いている。この「細密画的」な技術は同世紀後半に発展した。(a)細い筆を櫛状に束ねて描いた網目を背景に、左向きの三頭の動物を描いている。蹄、膝などは写実的に、発達した首、リュラー文形の耳、花が咲いたような上向きの尻尾などは文様的に表現している。身体の数カ所に唐草文が装飾されている。(b)網目を背景に、葉の形の上向きの曲線文が三つ並んでいる。動物と同じように抽象的モチーフを描いた唯一の例である。(c)やはり網目の地に、右向きの動物を三頭描いている。発達した首、極端に細い腹部、一本の波線によるたてがみは地味であるが、耳を大きく拡げて渦文を展開し、その間にトリスケーレと三つの円文を表している。出所:「古代ヨーロッパの至宝-ゲルト美術展1998」
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