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盾 2010年11月6日更新
Shield
テムズ川,バタシー橋,ロンドン,イングランド
ブロンズ,長さ77.7cm
紀元前350-前50年頃
大英博物館
盾の本の部分が失われ、表面を覆っていたブロンズ板とその装飾が残っている。同形の四枚の平らな板、装飾を施した三つの円形板、および周囲にめぐらした接続部品からなっている。打ち出しによる軸対称の文様を線刻と点刻で強調し、不透明赤色エマーユを施した四種の大きさの円形の鋲を27配置する。装飾と、実際の盾の半分の長さであることから、実戦用のものとは思われず、川の神に奉納するために制作されたと考えられる。ステッドは技術・様式とも紀元前4世紀には出揃っていたと考えている。例えば本来のエマーユ技術とは異なる鋲の制作技術は、紀元前4世紀初めと推定されるバッス・ユッツの嘴壺の栓と比較される。パルメットとペルタ文を基本モチーフとする装飾も、前4世紀に類例が見出される。しかし他方、軸対称と静的な構成はアウグストウス時代のローマ美術の影響とも考えられ、その場合は前1世紀末に位置づけられることになる。ケルト美術の様々な問題を、謎を、一身に担っている傑作がいくつかある。バタシーの盾がバッス・ユッツの嘴壺、グンデストルップの大鍋などとともにその一つに数えられることは疑いない。出所:「古代ヨーロッパの至宝-ゲルト美術展1998」
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