「雛と雛道具」彦根城博物館

「雛と雛道具」彦根城博物館

名称:「雛と雛道具」彦根城博物館
会期:令和3年(2021年)2月5日(金)~3月8日(月)
※会期中は無休
開館時間:午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
住所:〒522-0061滋賀県彦根市金亀町1-1
TEL:0749-22-6100
URL:彦根城博物館
 3月3日の上巳の節句に行われる雛祭りは、女児の健やかな成長を祈る行事です。元来、上巳に限らず、節句は季節の変り目にあたるため、病気などの災いが降りかかりやすい日と考えられてきました。そのため、節句には厄を払う祈りをし、厄を受ける身代わりとして人形を作り、神に供えたり、厄払いとして川や海に流すということが行われました。後にこの人形は、飾り付けて楽しむものへと変化していきました。江戸時代に入ると、桃の節句に、人形とともに菱餅や菓子、白酒などを供えて賑やかな飾り付けをして祭を行うという、現代につながる習わしが定着しました。この人形は雛と呼ばれ、より華やかで精巧なものが作られるようになります。そして、実際の調度類を模したミニチュアの雛道具も作られ、雛と共に飾られるようになりました。
 江戸時代の大名家の姫君の婚礼の際には、嫁入道具として、豪華な調度とともに雛と雛道具が誂えられました。雛道具は、婚礼調度を模し、数十件にも及ぶ大揃えのものとするのが通例でした。井伊家13代直弼の息女弥
千代(1846年~1927年)が、安政5年(1858年)に高松藩松平家世子頼聡(1843年~1903年)に嫁いだ際にも、婚礼調度とともに愛らしい雛と雛道具が調えられました。
 弥千代の雛は、紙製の衣装をまとう古式ゆかしい立雛です。雛道具は、井伊家の家紋の橘と松竹梅の文様が金蒔絵であしらわれ、実物の調度さながらに精巧に作り込まれています。その数は85件にも及び、賑々しい婚礼仕度の様子を今に伝えてくれます。
 本展では、弥千代の雛と雛道具を展示し、また併せて、地元の旧家に伝わる古今雛や段飾り、御殿飾りなどを一挙に公開します。春を彩る華やかな雛飾りの数々をご堪能ください。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 「動き出す浮世絵展 TOKYO」寺田倉庫G1
  2. 特別展「答志島~古代から続く海民たちの島」鳥羽市立海の博物館
  3. 「うつす美 ─ 江戸時代の絵画学習」京都府京都文化博物館
ページ上部へ戻る