「グスタフソン&ハーポヤ Becoming—地球に生きるための提案」京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)
名称:「グスタフソン&ハーポヤ Becoming—地球に生きるための提案」京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)
会期:2021年1月30日(土)–2021年3月21日(日)
開館時間:11:00–19:00
休館日:月曜日
入場料:無料
企画:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
主催:京都市立芸術大学
助成:芸術文化振興基金助成事業
公益財団法人野村財団
公益財団法人吉野石膏美術振興財団
後援:フィンランド大使館
住所:〒604-0052京都府京都市中京区押油小路町238-1
TEL:075-253-1509
URL:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が起きて約1年が経とうとしています。未だ出口の見えない中、私たちは「パンデミック以後の世界」という未来にも向きあわなければなりません。新型コロナウイルスのような人獣共通感染症の発生には、自然環境の破壊や地球温暖化などによる生態系の変化が関係していると考えられています。人類が地球の地質や生態系に重大な変化をもたらす「人新世」の時代に、自然や他の種とのより良い関係性、共生のあり方を考えることは急務です。国際的なアート・シーンでは近年、「人新世」における生態系とその未来について考察する作品や展覧会企画が増えつつありました。そして、いま世界中で起きているさまざまな事象について考えると、このテーマはさらに重要なものとなるはずです。では、このような状況下で、より良い未来を考察するために、人は、アートは、いったいどのようにあるべきでしょうか。
フィンランド出身の美術家のテリケ・ハーポヤと著述家であり脚本家、劇作家でもあるラウラ・グスタフソンによる学際的ユニット「グスタフソン&ハーポヤ」は、人間を中心とする世界観から生じる問題に焦点を当て、より包括的な社会概念への道を開くことを目指して、大規模で長期的なプロジェクトに取り組んでいます。日本で初の個展となる本展「Becoming——地球に生きるための提案」の中心となる映像作品《Becoming》(2020)で、グスタフソン&ハーポヤは、人間であるために不可欠なものとは何かを問いかけています。海の見える穏やかな場所や緑豊かで静かな森、街の中、あるいは室内などのさまざまな場所で、活動家や思想家、アーティスト、介護者、子どもたちなどの37名の回答者は、人間の暮らしにとって有意義なあり方をめぐる数々の問いの中から、いま芽ぐみつつあり、かつ育くむべき現象について、それぞれの考えを語ります。《Becoming》と、この作品をもとに編纂された『つぼみの本——地球に生きるための手引き』はともに、鑑賞者自身がこれらの問いについて考えるための道標となることでしょう。
以前のようには自由に行き来ができないときがまだまだ続くとしても、遠く離れた場所にいる人と人とをつなぎ、ともに同じ問題について考える方法を、もう私たちはいくつも知っています。これもまた、私たちが育てていくべき「つぼみ」の一つなのかもしれません。世界が危機に直面している現在、いかに生きるべきか、どのような存在になるべきかという、地球に生きるすべての人に向けられた問いについて、私たちにどのような応答ができるのか。落ち着いて考える時間を持つための場が、ここにはあります。
最近のコメント